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脳腫瘍、頭蓋底腫瘍

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宇都宮脳脊髄センター
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脳腫瘍には様々な種類があり、その種類によって手術の方法やその後の治療の方針など、適切な治療が異なります。
当科は創立当初から脳腫瘍の診療においては北関東の中心的施設として機能しており、最新の技術と知識とを用いた診断と治療を行っています。

2008年度の脳腫瘍摘出手術件数は121件でした。

脳腫瘍とは、

脳神経外科が取り組むべき重要な疾患に脳腫瘍があります。

腫瘍とは、正常ではない遺伝子の異常を持つ腫瘍細胞が「勝手に」増えてゆき、周囲の正常な脳の構造を破壊し機能を阻害する病変です。
脳そのものから発生する腫瘍(原発性脳腫瘍)や他の臓器から転移した腫瘍(転移性脳腫瘍)を合わせて、毎年1万人当たり2人の方に脳腫瘍は生じていると見積もられていますが、社会の高齢化、脳画像検査の高度化やがんの治癒率の上昇とともに脳腫瘍の発見率はさらに上昇するでしょう。

脳腫瘍はその増大の速さや治療の困難さから悪性度が決められます。
一般に良性か悪性かのどちらか二通りに考えられがちですが、実際には「悪性度」という言葉が示すように、温度や角度と同じくさまざまな段階があります。
実用上世界保健機構(WHO)が定める4段階(グレード1~4)が多くの施設で採用されています。
速度の差はあれどのグレードの腫瘍でも腫瘍は大きくなりますし、グレードは時間とともに変化しうるので、診断と治療は常に注意を要します。

グレード1の腫瘍は一般に良性の脳腫瘍と見なされ、主なものに髄膜腫、神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)、下垂体腺腫があります。
治療法として手術が第1選択とされますが、近年は病変の部位と大きさや患者さんの状況に応じて、薬による治療(主に下垂体腺腫)、定位放射線手術(当院ではガンマナイフ)を用いることも多くなりました。
当院でも病気に応じて治療法を使い分けています。

グレード2以上の腫瘍は悪性化の傾向がある脳腫瘍と見なされ、主なものにがんの脳転移や神経膠腫(しんけいこうしゅ)があります。
がんがある場合、約半数の方が何らかの神経の症状を出します。
原因としてがんの脳転移、薬や放射線の副作用、栄養不良による神経障害、転移に伴う痛みなどがあげられます。
これらの場合、脳の治療だけでは解決しません。もとの病気を診ている主治医と協力して治療を進めます。
転移性脳腫瘍の治療法として手術による摘出、放射線治療、ガンマナイフによる定位放射線手術がありますが、それぞれの利点欠点を考慮して治療法を選択します。

神経膠腫の場合、最も悪性度の高いグレード4ものは膠芽腫(こうがしゅ)と呼ばれ、今日もっとも治療の困難な腫瘍のひとつです。
悪性腫瘍を摘出するときは腫瘍周囲に十分ゆとりを持って切除するのが理想的ですが、脳はそういった切除法が許されない臓器です。
覚醒下手術、蛍光物質を用いた腫瘍摘出により、手術による合併症を低減させるとともに、放射線療法と化学療法(抗がん剤)を併用します。
当院の膠芽腫の治療成績は、1年生存率70%、2年生存率30%、3年生存率25%です(手術や放射線化学療法のできなかった例も含む)。
当院ではより効率のよい、より負担の少ない治療を目指しています。
例えば、脳腫瘍の病理診断や遺伝子解析の結果を踏まえ、化学療法感受性の高い腫瘍の場合は化学療法を先行させ、腫瘍が十分縮小した時点での全摘出を行う治療もそのひとつです。


  • (治療前)

  • (化学療法を先行させ腫瘍を縮小)

  • (摘出術後)

また悪性脳腫瘍患者さんに対する緩和ケアの重要性を考慮し、一人一人の患者さんおよび家族のメンタルケアに最大限の支援をしています。
1998年には院内に対する緩和ケアの啓蒙活動として、獨協医科大学緩和ケアを考える会を発足させました。

頭蓋底腫瘍とは、

脳は頭の上半分を占め、頭の下半分には顔面があります。
脳手術をするほとんどの場合は目や耳より上の頭部(つまり、普通髪が生えている部分)を切って頭蓋骨を開き、脳を見ます。
しかし、病気が脳の底面付近にできた場合は、通常の方法では正常の脳が手前にあり病気の部分を見ることができません。
車の修理のように脳を持ち上げて底面を見ることはできないのです。
脳の底面には鼻、目、耳、顔、のど等の動きや感覚をコントロールする神経があります。また、心臓と脳をつなぐ大事な血管もあります。
脳の底面の手術ではこれらの重要な神経や血管を傷つける恐れがあり、特殊な技術が必要です。

このような病気にアプローチするために頭蓋底手術が開発されました。
1970年代より耳鼻咽喉科、脳神経外科、形成外科の各分野の発展が互いを伸ばすようにして発達しました。
(ヨーロッパ、アメリカ、そして日本の貢献が大きく、特に大阪市立大学医学部脳神経外科の白馬明先生(故人)や、慶應義塾大学脳神経外科河瀬斌先生の功績は世界的です。最近ではテレビで福島孝徳先生が宣伝して有名になりました。)

特に聴神経腫瘍においては専門のスタッフが手術を担当し、信頼のおける手術実績をあげています。
径2cm以下の腫瘍では顔面神経麻痺はゼロ、またこれより大きなものでも、永続する顔面神経麻痺の出現率はきわめて低く、術後に「顔が曲がる」心配が非常に少ない手術を行っています。
聴力も高率に温存できるようになり、径1cm以下の小さな腫瘍では聴力保存率が86%、1cmから1.5cmの腫瘍でも75%ときわめて優れた成績となっています。

また頭蓋底部の髄膜腫、とくに鞍結節部髄膜腫は視力障害の後遺症なしに手術を行うのに高度な技術を要しますが、この腫瘍に対しても安定した手術成績を発表しています。
鞍結節髄膜腫31例の手術成績:26例(83.8%)で全摘。視症状は改善17(55%)、不変12(39%)、悪化2(6%)。術後一過性の尿崩症が3例(9.7%)にのみ認め、諸家の報告より優れた結果が得られています。

本院でも、症例に応じて耳鼻咽喉科、形成外科と連携し、症例に応じて頭蓋底手術を行っています。
多くは頭蓋底良性腫瘍の症例で(下垂体腺腫、髄膜腫など)、術後経過も良好です。
頭蓋底の悪性腫瘍や動脈瘤に対しては近年、ガンマナイフ、抗がん剤による治療、血管内治療を組み合わせて治療しているため、手術が不要な場合も増えてきています。

セカンドオピニオン

自分や家族が脳の病気になったとき、診断や治療法について多くの意見に目を通したい耳を傾けてみたいと思うのは当然のことです。
当院では併設されている腫瘍センターが中心となり、セカンドオピニオン外来を開いています(要予約)。
脳腫瘍の診断と治療について「他の医師の意見を聞いてみたい」と思われたときはご利用ください。
よりよい情報提供のため、今診てもらっている医師の紹介状とフィルムをご持参くださるようお願いします。
また、当院から他院へのセカンドオピニオンの紹介も行っております。希望される場合は遠慮なくお申し出ください。

セカンドオピニオンは医師の乗換えではありません。
あくまで今診ている医師が引き続き主治医であり、よりよい診断と治療のためプラスアルファの意見を添えるのがセカンドオピニオンの役割です。
この点を踏まえて上手に利用しましょう。

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