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頭部外傷、スポーツ医学

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宇都宮脳脊髄センター
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頭部外傷

当科の治療体制の特徴

  • 地域の中核病院として、積極的な受け入れを行っています。
  • 緊急時には脳神経外科専門医を中心に、24時間体制で手術可能な体制を整えています。
  • 重症例や脳以外の臓器にも損傷のある多発外傷などに対しては、救急救命センターと緊密な連携をとり、治療に当たっています。

当科で扱う主な外傷疾患や治療法

以下当科で扱う主な外傷性疾患の簡単なご紹介をします。
頭は表面から順に皮膚→筋肉→頭蓋骨→硬膜→脳となっており、どこの深さまで損傷が加わったかで、重傷度が違います。
大きな傷であっても筋肉までの傷であれば縫合のみで済む場合もあり、ごく小さな傷でも頭蓋骨を破壊し脳まで達するものであれば、緊急手術を要するものもあります。

  1. 軟部組織外傷
    頭蓋骨の外側の皮膚、筋肉、皮下組織の外傷です。皮膚に裂け目が無く、皮膚の下に血がたまった状態はいわゆる「たんこぶ」です。
    皮膚にメスで切ったような裂け目がある場合は「裂傷」で、縫合すれば比較的容易に治癒します。
    鈍器で皮膚が広範囲に欠損したような場合は「挫傷」「挫滅創」などと表現し、小さなものであれば縫合で治癒しますが、大きなものでは単純な縫合ではなく、特殊な治療が必要になる場合があります。また、顔面にかかる傷に対しては、美容的な問題から形成外科と協力して治療にあたる場合もあります。
    頭皮は血流の豊富な組織で、小さな傷でも意外な大量出血をきたします。成人で問題になることは少ないですが、体重の小さな子供や体力の少ないお年寄りの場合、十度の貧血に陥ることもあります。
    脳や硬膜に損傷が無い限り、特殊な治療を必要とすることはあまりありません。
  2. 頭蓋骨骨折
    力の加わり方によっては、頭蓋骨が折れます。表面の皮膚に裂け目が無くても骨折していることもあれば、皮膚の裂け目から骨の表面が見えても、骨自体は折れていないこともあります。頭蓋骨は手足のように強い力はかかりませんので、単純な線状骨折であれば特殊な治療を要せず、そのまま保存的に治療し軽快することも多いです。しかし折れた骨が内側に折れ込んで硬膜や脳を損傷したり、皮膚の裂け目から損傷した脳の表面が見えるような場合には早期の手術が必要です。
    また、骨折した骨の内側(脳側)に太い血管があると、損傷した血管から脳側へ出血をおこし、次に説明する「急性硬膜外血腫」をおこします。
  3. 頭蓋骨の下、硬膜の外の外傷
    頭蓋骨骨折の内側(脳側)の太い血管が損傷すると、硬膜の外側と頭蓋骨の内側に血がたまります。これを「急性硬膜外血腫」といいます。血の大きさによっては本人が気づかない程度のものもありますし、脳を圧迫し放置すると死に至るほどの大きさになるものもあります。
    重要なのは受傷直後に血管が裂け、そこから徐々に出血した場合だんだん具合が悪くなる可能性があるということです。強く頭をぶつけた直後は意識もはっきりししっかりしゃべっていたのに、数時間後には意識不明の重態になるケースもあります。受傷直後の状態で判断することは困難な場合も多く、打撲後少なくとも24時間は慎重に様子を見ること、強い力が加わった頭部外傷(車にはねられ頭をぶつける、バットで殴られる、2階から落ちて頭をぶつける)の場合には一見なんとも無いようでも、念のため脳神経外科専門医の受診をお勧めします。
    治療は全身麻酔下で頭蓋骨を大きく切り取り、下の血腫をとりのぞく開頭血腫除去術を行います。
  4. 頭蓋骨の下、硬膜と脳の間の外傷
    脳の表面の血管が傷ついて硬膜と脳の間に出血する場合があります。急性期に多量の血腫がこの場所にたまる場合は「急性硬膜下血腫」といいます。この病気になる場合は多くの場合脳に重大なダメージが加わっている場合が多く、早期に手術を行った場合でも重大な後遺症が残ったり、残念ながらお亡くなりなるケースもあります。手術は全身麻酔下で頭蓋骨を大きく切り取り、下の血腫をとりのぞく開頭血腫除去術を行います。
    逆にこの場所にごくゆっくり血がたまる病気もあり、これは「慢性硬膜下血腫」とよばれ、お年寄りに多く見られます。どのぐらいゆっくりかというと、頭をぶつけてから1ヶ月以上経過してから症状を出す場合もあります。この場合さらさらした水のような血液がたまるので、手術は局所麻酔で頭皮に5cmほどの切開を加え、頭蓋骨に10円玉ぐらいの穴を開けて中の血を洗い流す穿頭血腫腔洗浄術を行います。この病気は急性硬膜下血腫に比べ、手術後によく回復するケースが多いです。
  5. 脳そのものの外傷
    強い衝撃が脳に加わった場合、脳そのものが傷つく場合もあります。
    軽いものは「脳震盪」といいます。ボクシングでボクサーがダウンするシーンを思い出してください。リング上で倒れてしまったボクサーはあたかも脳の中に重大な出血をきたしたように見えますが、通常数日休めば元通り回復します。このように脳そのものに永久的な傷がつかない場合でも、一時的に症状を出す場合があります。症状としては頭痛、吐き気、嘔吐、一時的な記憶喪失、記憶障害などがあります。通常数日で後遺症を残さず回復します。
    ダメージが強く脳の神経細胞が衝撃により切断された場合、「びまん性軸索損傷」という病態に陥ります。この場合上に述べたいろいろな血腫のように脳を圧迫する病変が無いにもかかわらず、十度の意識障害や記憶障害をおこします。若年者で数ヶ月以上かかって回復する人もいれば、後遺症としていつまでも重度の意識障害を残す人もいます。
  6. 脳組織そのものが挫滅した場合、その部分の脳は「脳挫傷」と呼ばれます。脳挫傷に陥った脳組織は通常その後も回復しません。範囲が小さければ周囲の生き残っている脳細胞が機能を代償し、重度の後遺症を残さずに済むケースもあります。逆に範囲が広範囲に及んだ場合、急速に脳浮腫や出血を起こし挫傷に至っていない正常な脳まで壊してしまうケースもあります。
    脳そのものの外傷に対しては症状に応じ軽度のものであれば脳のむくみを監視する脳圧センサー挿入から、重症例には救急救命科と協力して低体温療法や、頭蓋骨を大きくはずして脳の圧力を外科的に下げる外減圧などが行われます。

以上簡単に当科で扱う頭部外傷の種類をご紹介しました。頭部外傷はその合併症、本人の状態、重傷度などにより複雑な病体が多く、上記でご紹介した疾患、治療法はそのごく一部です。

当科では複雑かつ緊急を要する症例に対し、脳神経外科専門医が24時間365日迅速に治療にあたれるよう、体制を整えております。

スポーツ脳神経外科

★競技レベルのスポーツのみならず、日常のレジャーや学校体育で頭部外傷を負う機会は少なくありません。

★日本体育協会はスポーツ医学に精通した人材を公認スポーツドクターとして認定しており、県内では約60人がこの資格を有しています。脳神経外科医はこのうち2人(2005年6月現在)だけですが、いずれも当科に在籍しています。

★脳振盪後の競技への復帰についてお悩みの場合、脳神経疾患を持ちながらスポーツに挑戦したいというご希望のある場合などにご相談ください。

担当医

荻野雅宏
スポーツ全般、アメリカンフットボール、アイスホッケー
日本臨床スポーツ医学会脳神経外科部会に携わる一方、公認スポーツドクター養成講習会でも講師を務めるなど、我が国において指導的立場にあります。
川本俊樹
ラグビー、自転車、スキー
日本ラグビー協会マッチドクターとして、国内外の試合において活動しています。

文献

  1. 荻野雅宏: スポーツと頭部外傷 頭部外傷10か条の提言. 日本臨床スポーツ医学会誌 13: 164-173, 2005.
  2. 荻野雅宏, 石山直巳: 運動と外傷 頭部の外傷. 日本体育協会指導者育成専門委員会スポーツドクター部会(編): スポーツ医学研修ハンドブック. 東京: 文光堂, 2004, pp138-147.
  3. 荻野雅宏, 川本俊樹, 金彪: スポーツによる頭頸部外傷. 脳神経外科ジャーナル 13: 96-103, 2004.
  4. 服部光男, 平川公義, 石山直巳, 片山容一, 荻野雅宏, 小野陽二, 関野宏明: スポーツ現場へ 頭部外傷10か条の提言. 東京: 小学館スクエア, 2001.
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